ニュースの背景を検証、分析/「人間ドラマ」も生き生きと

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大きな事件や事故などは遠く離れた場所で起きても、多くの人の関心を呼びます。このような、いわゆる「三面記事」と呼ばれる記事が掲載されているのが社会面です。朝刊では、最終面のテレビ欄の裏から始まり、第1、第2、第3と続いて、祝日の翌日などを除いた火―土曜日には第4まであります。

社会面は事件事故の発生そのものを伝えるだけではありません。1面などに掲載された大きな出来事の背景を検証したり、その影響を詳しく分析した記事なども掲載しています。ニュースをより深く多面的に考えるために役立つよう工夫しているのです。

また、大雪など天気情報や自然災害に関する記事、著名人の死亡記事など、関心の高い話題を幅広く紹介していて、内容は多くの分野にわたっています。

見出しの大きな事件や事故のニュースに目が行きがちですが、本来は人の強さや優しさ、苦しみや悲しみ、喜びなど、一人一人が持つ感情にスポットをあてた「人間ドラマ」を生き生きと伝える面でもあります。

例えば世の中には、目立たないけれど頑張っている、あるいは困っている…、そんな多くの人たちがいます。人々の思いや行動を丁寧につづることで、読む人が勇気をもらったり、自分の身の回りの課題に気付いたりすることもあるでしょう。そんな考える「きっかけ」づくりも、社会面の重要な役割です。

昨年8月からは長期連載「北海道と戦争」も始まりました。今年8月15日、終戦から70年の大きな節目を迎えます。

今だからこそ、当時北海道で何が起こっていたのか、今後私たちはどうすべきかを問い直そうというものです。こうしたテーマを絞った連載企画もしばしば掲載されます。読む人にじっくり考えてほしいとの思いからです。

さあ新聞を裏側から1枚めくってみましょう。今、あなたのすぐ隣で何が起こっているか、あなたを取り巻く社会や人々が何を考えているか―。それを知るヒントが、きっと詰まっているはずです。

『道新読み方ガイド』(2015年2月23日 北海道新聞朝刊「道新ぷらす」コーナーより転載)