*「5W1H」を大事な順に/記事簡潔に「逆三角形型」
新聞記事には一般的なニュース記事のほか、背景などを説明した解説記事、いきさつや経過を整理したまとめ記事、インタビューや評論などさまざまな種類があります。このうち、もっとも新聞らしいのは、新しい出来事を伝えるニュース記事でしょう。
ニュース記事には、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の「5W1H」の要素が必要といわれています。
また、ニュース記事には読者に知らせたい大事なことから順に書いていくという原則があります。同じ5W1Hでも出来事によって大事な要素は違ってきます。有名人がからめば「だれが」が重要です。大きな事故だと「なにが」「どのように」といった要素が重要になります。また、円が急騰したりすると「なぜ」に関心が集まるでしょう。
ニュース記事はこうしたことに気を配りながら、前文(リード)と呼ばれる記事の第1段落に最も重要なことがらや結論を盛り込んでいるのです。さらに、次の段落には次に重要なことがらを、その後に背景説明や反応、周りへの影響などといった具合に、書かれています。
これを「逆三角形型」と呼んでいます。なぜ、このような書き方をしているかというと、1ページの限られた紙面に記事を収めやすくするためなのです。多くの記事が集まった場合、文章を削る必要が出てきます。記事の後ろから比較的に重要ではない情報を削っていけば、短時間で記事を整理できます。そのために、こうしたスタイルをとっているのです。
つまり、新聞は見出しと記事の前文を読むだけで、ニュースのおおよその内容が分かる仕組みになっているのです。ですから、記事の1段落目から読み進め、「もう十分」と思ったら、次に読みたい記事に移っていいのです。最後まで読めば、より理解が深まりますが、こうした読み方でもある程度、その日のニュースの流れを知ることができるのが新聞なのです。
『道新読み方ガイド』(2014年11月3日 北海道新聞朝刊「道新ぷらす」コーナーより転載)