*時差ある海外ニュース速報/文化、芸能、スポーツ多彩に

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これまでは主に朝刊について解説してきましたが、北海道新聞には夕刊もあります。今回から夕刊の読みどころや楽しみ方を紹介します。
夕刊は12ページか14ページが多く、朝刊に比べるとかなりコンパクトなつくりです。ニュース面は1面のほか、3面が総合面で、さらに最終のテレビ欄の前の2ページが社会面になっています。また、スポーツ欄のほか、文化、芸能面を設け、各種の評論やコラム、人物もの、アートなど多彩な読み物を掲載しています。3月からは情報ページ「おばんでした」も始まりました。
朝刊は基本的に前日のニュースを中心に作られますが、夕刊はその日の午前中(正確には午後1時すぎまで)に起きた出来事を中心に伝えます。この、新鮮さが夕刊の最大の特長です。さらに、朝刊で伝えたニュースの続きである「続報」や、朝刊で伝えきれなかったニュースの詳報なども掲載し、鮮度のよいニュースをほぼリアルタイムで伝えているのです。
時差の関係で、海外、特に米国発の重要ニュースは夕刊にまず掲載されることが多くなっています。政府発表の経済データや連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などは多くは夕刊で報じられます。
また、国内ニュースでも経済成長率などの経済データの多くは午前中に発表されるため、夕刊で報じた後、翌日朝刊に解説や分析記事が載ることも多く、併せて読めば、より理解が深まります。
ただ、夕刊は当日のニュースを掲載しているといっても、ニュースを伝えるスピードについては、テレビの速報や、インターネットにはかなわなくなってきました。こうしたことも手伝って、近年、「必要性を感じない」「読む時間もない」といった理由で、敬遠する声も聞かれます。
しかし、本紙の読者アンケートなどでも「夕刊も面白い」という根強いファンがおられます。「ほっとできるコラムがうれしい」「文化・芸能記事が楽しみ」といった意見も寄せられています。ニュースばかりではなく、こうした「夕刊ならではの味わい」が大きな魅力になっているのです。

 

『道新読み方ガイド』2015年3月16日 北海道新聞朝刊「道新ぷらす」コーナーより