141020

*重要記事 アタマ、肩、ハラに/四角いまとまりですっきり

 どんなに頑張って取材した記事でも、読みにくければ途中で投げ出されてしまいます。そこで出番となるのが紙面レイアウト。記事や写真、見出しをバランス良く配置し、「この本文はどこに続くのだろう」と戸惑うことのない紙面が理想であり目標としています。
 新聞は縦書きが基本です。書き出しの右肩にトップニュース「アタマ」を掲載します。続く準トップは「肩」と呼ばれる左上が定位置です。構成によっては「ハラ」と呼ばれる紙面中央部にも大きなニュースを配置します。目に飛び込んでくる「アタマ」「肩」「ハラ」に重要なニュースがあると、紙面が引き締まって見えるのです。
 2面や第2社会面など左右のページが見開きになっている場合、右ページは左上にアタマを置きます。右左のページ全体を見渡したときに、両面のアタマが中央寄りになり、読みやすくなるからです。
 新聞のレイアウトは長い間、「流れるような紙面」が美しいと言われてきました。見出しが上下や左右に並ばず、互い違いに配置されるイメージです。一方、最近は、記事をなるべく四角く組み上げ、ひとまとまりとして意識しやすい「ブロック組み」が主流になっています。
 例に挙げたのは2005年の1面と今年4月の1面です。05年の紙面は記事が入り組んでいます。当時はこれが普通だったのですが、アタマの「ロンドン五輪」の記事などは切り抜いてスクラップしようとしたら大変です。今年の紙面では、ほとんどの記事が四角いまとまりになっています。
 記事の読み方に紛れがないよう、レイアウトの「禁じ手」もあります。例えば、上段から下段につながる二つの本文が仕切りのないまま下段に流れる「二重おろし」。これでは本文がどこに続くか分かりません。上の段の記事が左下に降りるのも「飛びおり」と言って禁止されています。
 これらは新聞製作のミスを減らすためもあって「禁じ手」とされています。伝統的な「新聞らしさ」を残しながら、時代に合ったレイアウトに向け、試行錯誤が続いています。

『道新読み方ガイド』(2014年10月20日 北海道新聞朝刊「道新ぷらす」コーナーより転載)