新鮮な視点、エッセー人気/社会や文芸、芸術の論評も
文化面は、月曜朝刊に1ページと、月曜から金曜までの夕刊に各1ページあります。
このうち夕刊文化面は、長く続いた「学芸面」を引き継ぎ、1985年4月に「文化」の題字に改まりました。今年でちょうど30年の節目を迎えます。
文化面の役割は、学芸、文芸、美術、音楽など各分野の担当記者の取材や専門家らの寄稿によって「読者の知的好奇心に応える」ことです。道内外で行われている多様な表現活動を伝えつつ、それらの価値をはかる指標として「評論」「論考」も掲載しています。
毎月連載している主なコーナーを紹介します。
まずは気軽に読めて、しかもなかなか気づかないような視点を提供してくれるエッセー。苫小牧出身のドイツ文学者・中野京子さんの「橋をめぐる物語」、酒を介しての人間味あふれる出会いをつづる俳人・吉田類さんの「酒縁ほっかいどう」などが人気です。
専門家が執筆する評論には論壇、社会、文芸、詩、短歌、俳句の全国的な動向を伝える「時評」のほか、「道内文学」として創作・評論、詩、短歌、俳句もそれぞれ論評しています。道内外の表現者による活動は「展覧会」「音楽会」として随時取り上げています。
主に道内大学の研究者による名物コラム「魚眼図」(毎週火―金曜)も、学芸面以来、半世紀以上にわたって花を添えています。
学芸や文化と言うと「教養」を押しつけられるようで「ちょっと堅苦しい」紙面と思われるかもしれません。そこで高校・大学生ら若い世代が文芸や美術、映画、演劇などの作品と活動を批評する「アート評に挑戦!」を昨年秋に設けました。芸術・文化への関心が高い個人や学校、団体を通じて投稿が集まってきています。
ネットを筆頭に、かつてとは比較にならないほど手軽な媒体が増え、多様な情報が飛び交う現代。玉石混交の情報から、取捨選択して吟味するための「よりどころ」を、日々提供しています。読者のみなさんの興味と関心に応えつつ、学問や文化の薫りと、潤いに満ちた紙面づくりを目指しています。
『道新読み方ガイド』2015年3月23日 北海道新聞朝刊「道新ぷらす」コーナーより